昔の日本人は力持ちだった?お米が支えた驚きの食生活
共有
「昔の日本人は現代人よりも力持ちだった」——そんな話を聞いたことはありませんか。重い米俵を担ぐ人、朝から夕方まで畑で働く農家、草鞋で長い道のりを歩く旅人。徒歩や人力が中心だった時代の人々は、日常的に体を動かしていました。その活動を支えたのが、お米を中心とした食事です。この記事では、昔の日本人の驚くべき体力と、その暮らしを支えたお米の力について解説します。
もちろん、昔の日本人が全員、特別に筋肉質だったわけではありません。しかし、徒歩や人力が中心だった時代の人々は、現代人よりも日常的に体を動かしていました。そして、その活動を支えていた大切なエネルギー源が、お米を中心とした食事です。昔の人は、どのくらい体を動かし、何を食べていたのでしょうか。
昔の旅人は1日に30〜40kmも歩いていた
電車も自動車もなかった江戸時代、遠くへ移動するための基本的な手段は徒歩でした。国土交通省関東地方整備局によると、江戸時代の成人男性の旅人は、1日におよそ32〜40kmを歩いていたと考えられています。
歩く速さを時速4kmとすると、約8〜10時間にわたって歩き続けていた計算です。朝早く出発し、日が暮れる前に次の宿場へ到着するような旅をしていました。現代の感覚で考えると、東京駅から横浜駅付近まで歩くような距離です。それを舗装された道路やクッション性の高いスニーカーではなく、草鞋を履いて、荷物を持ちながら歩いていたのです。
江戸の日本橋から京都の三条大橋までは約492kmあり、一般的な旅人は13〜15日ほどかけて移動していました。15日で歩いた場合、1日平均は約33kmになります。現代人より体が大きかったから歩けた、というわけではありません。日々歩く生活の中で、長時間動き続けるための脚力や持久力が自然と鍛えられていたのでしょう。
飛脚は江戸から京都まで3〜4日で荷物を運んだ
昔の日本人の体力を語るうえで、よく登場するのが「飛脚」です。飛脚は、手紙や荷物を運んだ、現代でいう郵便や配送の役割を担う人々です。国土交通省によると、一般の旅人が約2週間かけて歩いた江戸から京都までの約492kmを、飛脚はわずか3〜4日でつないだとされています。
ただし、1人の飛脚が江戸から京都まで休まず走り続けたわけではありません。宿場ごとに担当者が交代し、荷物をリレー形式で運んでいました。それでも、1人ひとりが短い時間で長い距離を進む、高い走力や持久力を持っていたことは確かです。
飛脚に限らず、農作業、漁業、林業、建築、荷物の運搬など、昔の仕事の多くは人の力に頼っていました。機械が担っている作業を、人が自分の体を使って行っていたのです。
昔の人のエネルギー源は「たっぷりの主食」
では、毎日それほど体を動かしていた人々は、何を食べていたのでしょうか。現代では、力をつける食事というと、肉や卵、プロテインなどを思い浮かべるかもしれません。ところが、昔の日本人の食事では、ご飯や雑穀、麦、芋などの主食が大きな割合を占めていました。
農林水産省によると、江戸時代の一般的な食事は、ご飯に味噌汁、漬物を組み合わせた質素な内容で、食事全体に占める主食の割合が非常に大きかったとされています。
ただし、昔の日本人が全国どこでも白米をたっぷり食べていたわけではありません。白米を多く食べられたのは、主に江戸などの都市部や、比較的豊かな層でした。地方では、お米に麦、雑穀、芋、野菜、海藻などを加えた「かて飯」も広く食べられていました。つまり、昔の食生活は地域や身分、収穫量によって大きく異なります。それでも、米や麦、雑穀などの穀物が、毎日体を動かすための重要な食料だったことに変わりはありません。
なぜお米を食べると力が出るの?
お米には、炭水化物が多く含まれています。炭水化物は体内で消化・吸収され、主にブドウ糖となって、脳や筋肉を動かすためのエネルギー源として使われます。文部科学省の日本食品標準成分表でも、炊いた精白米は、炭水化物を中心とした食品として示されています。
昔の人が長時間歩いたり、畑を耕したり、重い荷物を運んだりするには、多くのエネルギーが必要でした。お米を中心とした食事は、そうした活動に必要なエネルギーをまとめて補うのに適していたと考えられます。
お米を食べれば、すぐに筋肉がついて力持ちになるわけではありません。お米の役割は、筋肉そのものをつくるというより、持っている筋肉を動かすための燃料を届けることです。自動車にたとえるなら、筋肉がエンジンで、お米から得られるエネルギーはガソリンのようなもの。立派なエンジンがあっても、燃料がなければ長く走り続けることはできません。
「ご飯と味噌汁」は昔のパワー飯だった?
昔の食事としてよく挙げられるのが、ご飯、味噌汁、漬物という組み合わせです。現代の食卓と比べると、ずいぶん質素に見えます。しかし、味噌の原料である大豆にはたんぱく質が含まれています。地域や季節によっては、豆腐、納豆、魚、野菜、海藻なども食べられていました。
お米で体を動かすためのエネルギーを摂り、味噌や大豆製品、魚などから体をつくるための栄養を補う。この組み合わせは、現代の豪華な食事とは異なりますが、よく体を動かす生活に適応した、昔ながらの食事の知恵だったと考えられます。
また、ご飯は味が強すぎないため、味噌汁、漬物、魚、豆、野菜など、さまざまな食品と組み合わせられます。農林水産省も、ご飯は主菜や副菜を組み合わせやすく、食事全体の栄養バランスを整えやすい主食だと紹介しています。お米の本当の強みは、お米だけですべての栄養を摂れることではありません。さまざまなおかずと調和し、食事全体の土台になれることなのです。
昔の人が力持ちだったのは、お米だけのおかげではない
ここで注意したいのは、昔の日本人の体力をすべて「お米のおかげ」と考えないことです。昔の人々は、幼い頃からよく歩き、日常的に体を使って働いていました。毎日繰り返し体を動かすことで、動作に必要な筋肉や持久力が鍛えられていたと考えられます。さらに、農作業や運搬の経験を通じて、重いものを効率よく持ち上げる姿勢や、疲れにくい体の使い方も身につけていたでしょう。
つまり、昔の人の力強さは、次のような複数の要素が重なって生まれたものです。
- 日常的によく体を動かしていたこと
- 体の使い方に慣れていたこと
- お米や穀物から十分なエネルギーを摂っていたこと
- 味噌、豆、魚、野菜などを組み合わせていたこと
お米は魔法の食品ではありません。しかし、よく動く暮らしを支える燃料として、重要な役割を果たしていたのです。
白米ばかり食べることには問題もあった
昔の食生活をそのまま理想とすることもできません。江戸などの都市部で白米を多く食べる文化が広がると、「江戸わずらい」と呼ばれた脚気が問題になりました。
脚気は、ビタミンB1が不足することで起こる病気です。玄米のぬかや胚芽にはビタミンB1が含まれていますが、精米して白米にすると、その多くが取り除かれます。そのため、白米に偏り、副菜が十分でない食生活では、ビタミンB1が不足しやすくなりました。農林水産省も、白米の普及と脚気の拡大について紹介しています。
この歴史からわかるのは、どれほど優れた食品でも、それだけを食べ続ければよいわけではないということです。ご飯に、肉、魚、卵、大豆製品、野菜、海藻などを組み合わせる。現代では昔よりも多くの食品を手に入れられるからこそ、お米を食事の中心にしながら、さまざまな栄養を補うことが大切です。
現代人にもお米は必要?
昔に比べると、現代人が体を動かす機会は少なくなりました。自動車や電車で移動し、仕事では長時間座り、重いものは機械が運んでくれます。そのため、昔の人と同じ量のご飯を食べる必要があるとは限りません。必要なエネルギー量は、年齢、体格、仕事内容、運動量によって異なります。
しかし、炭水化物が体や脳を動かすための重要なエネルギー源であることは、現代でも変わりません。お米を極端に避けるのではなく、自分の活動量に合った量を食べ、主菜や副菜を組み合わせることが大切です。スポーツをする日、たくさん歩く日、仕事や勉強で集中したい日。そんな毎日を支える食事として、ご飯は今も使いやすい主食の一つです。
お米のすごさは「毎日を動かす力」になること
昔の日本人は、現代人よりも日常的によく歩き、よく働いていました。江戸時代の旅人は1日に30〜40kmほど歩き、飛脚は宿場をリレーしながら、江戸から京都までの荷物を数日で届けていました。そんな人々の暮らしを支えていたのが、お米や麦、雑穀などを中心とした食事です。
お米は、食べるだけで力持ちになれる魔法の食べ物ではありません。しかし、体を動かすために必要なエネルギーを補い、味噌、豆、魚、野菜など、さまざまな食品と組み合わせられる優れた主食です。昔の人の食生活から見えてくるのは、「お米だけをたくさん食べればよい」ということではありません。よく体を動かし、お米を中心に、さまざまなおかずを食べる。その積み重ねが、人々の力強い暮らしを支えていたのです。
毎日何気なく食べている一杯のご飯。そこには、長い距離を歩き、田畑を耕し、家族の暮らしを守ってきた、日本人の力の記憶が詰まっているのかもしれません。
BELTAマルシェでは、北海道南幌町の城地農産が育てた、特別栽培米の「ゆめぴりか」をお届けしています。炊きたてのつや、口に入れたときのやわらかさ、噛むほどに感じられる甘み。昔から日本人の暮らしを支えてきたお米のおいしさを、毎日の食卓であらためて味わってみてください。
よくある質問
Q. 昔の旅人は1日にどのくらい歩いていたのですか?
国土交通省関東地方整備局によると、江戸時代の成人男性の旅人は、1日におよそ32〜40kmを歩いていたと考えられています。江戸から京都までの約492kmを、一般的な旅人は13〜15日ほどかけて移動していました。
Q. お米を食べると力持ちになれますか?
お米そのものが筋肉をつくるわけではありません。お米に多く含まれる炭水化物は、脳や筋肉を動かすためのエネルギー源になります。筋肉がエンジンなら、お米はガソリンのような燃料の役割です。よく動く暮らしを支える力になります。
Q. 白米ばかり食べるのはよくないのですか?
江戸時代には白米に偏った食生活でビタミンB1が不足し、「江戸わずらい」と呼ばれた脚気が広がりました。お米を中心にしながら、肉、魚、卵、大豆製品、野菜、海藻などを組み合わせ、栄養を補うことが大切です。
あわせて読みたい
お米は世界で何種類ある?日本のお米の品種は何種類?意外と知らないお米の世界記事を読む → ゆめぴりかとは?名前の由来からおいしさの秘密まで、北海道が誇るブランド米を深掘り記事を読む → おいしいゆめぴりかの食べ方 — 炊き方の基本と、子どもと楽しむ食育のヒント記事を読む → なぜベルタが「食」をやるのか — 栄養が、人の心を育てる記事を読む →現在販売中の商品
よく動く毎日を支えるのは、やっぱり一杯のごはん。北海道南幌町・城地農産のゆめぴりか特別栽培米は、5kg・10kg・15kg・20kgの4サイズ、すべて送料無料・ご注文後精米です。
まずは一杯を味わう|ゆめぴりか特別栽培米 5kg4,980円(税込・送料無料)/1kgあたり996円商品ページを見る →
1か月分をまとめて|10kg(5kg×2袋)9,460円(税込・送料無料)/1kgあたり946円・500円おトク商品ページを見る →
家族で食べるなら|15kg(5kg×3袋)13,940円(税込・送料無料)/1kgあたり929円・1,000円おトク商品ページを見る →
1kgあたり921円・最安|20kg(5kg×4袋)18,420円(税込・送料無料)/1,500円おトク(最安)商品ページを見る →